エメラルドの買取について

5月の誕生石
55周年結婚記念石

エメラルドのその美しい緑色は人々を魅了し、ダイヤモンドやルビー等と並び世界四大宝石の一つとなっております。
語源はサンスクリット語の「緑色の石」を意味する「スマラカタ」からきております。それが言語を替えていくうちに古フランス語の「エスメラルド」に変化し、エメラルドとなりました。

古代ではエメラルドは目の治療や解毒剤に使用されてきました。また勝利と成功の石で、持ち主に賢さ、記憶力、雄弁さをもたらすといわれています。
ユダヤ教では「聖なる宝石」、カトリックでは「法王石」と呼ばれています。また、イエス・キリストが最後の晩餐で使用した杯はエメラルドでできたものといわれています。
かのエジプトの女王クレオパトラもこよなく愛し、自分の名前のをつけた「クレオパトラ鉱山」に多くの奴隷を送り採掘させたそうです。



鉱物学としてのエメラルド

鉱物学でいうとエメラルドはベリルの変種となります。不純物が無いベリルは無色透明ですが、クロムやバナジウム等の不純物が内包されることによって緑色になり、エメラルドとなります。
しかしこの不純物によって『石れい』といわれる細かいキズや内包物があり、割れやすい性質にもなっています。
そのため「キズの無いエメラルドを探すのは欠点の無い人間を探すよりも難しい」という諺さえあります。 ベリルの他の変種としては水色のアクアマリン、ピンク色のモーガナイト等がありますがこちらはエメラルドと比べるとキズは非常に少ないのが一般的です。

アクアマリン(左)モーガナイト(右)



エメラルドの産地

原産地はコロンビア、ブラジル、ザンビア、ジンバブエ等があります。
特にコロンビアは品質の高いエメラルドを産出すること有名です。


エメラルドのお取扱いについて

一般的な宝石と同等の硬度を持っていますが、結晶構造の性質上割れやすくなっていますので強い衝撃は避けて下さい。
汚れてしまった場合は超音波洗浄も割れの原因となりますので、ぬるま湯と中性洗剤で洗い流して下さい。
オイル等による含侵処理がしてある場合、月日が経つと色が薄くなったりキズが増えたように見えることがあります。これは熱や時間の経過等により使用されていたオイルが抜け出したためです。またキズや割れを防ぐためにティッシュペーパー等で包んで保管した場合もオイルを吸い出すことがあります。
この場合、ベビーオイルに浸せば元通りになることが殆どです。


買取の際のエメラルドの査定基準

買取の際にエメラルドの査定額を決めるのは色、キズ、テリ、カットの4つが大きな要素となります。


エメラルドの場合、査定額決定要素で一番重要なのは色となります。
濃く深い緑色で、僅かに青みがかった鮮やかな緑色が人気があり査定額も上がります。
逆に後述のキズ等他の要素がいくら良くても色の薄いエメラルドは高評価にはなりません。
ただ、深い緑色が良いと言っても黒味がかった深い色(暗い色)は評価(価格)は下がります。また、青が強すぎても評価は下がります。

美しい色のエメラルド


キズ
もちろんキズは少ないほうが良いのですが、前述の通りエメラルドにキズや内包物(インクルージョンと言われています)は付きものですので、ある程度のキズはしかたないのです。
それどころか液体、気体、立方体の3つからなる三層インクルージョンはコロンビア産エメラルドにしか見られないもので、ルーペや顕微鏡だけでもコロンビア産と産地を特定できる重要なものとなります。
逆にキズが無く色が良いものは非常に高品質な天然エメラルドか合成石のどちらかということになります。
このようにキズがあるのが当たり前のエメラルドですが、キズが多くなると透明度が落ちます。そのため殆どのエメラルドはキズの中にオイルを含侵させて見た目の透明度を若干改善する処理をしております。
また、キズが多すぎ色も薄いエメラルドの場合、時には緑色の樹脂を含侵させて透明度だけでは無く色も改善させていることもあります。
オイル処理に関しては当たり前の処理ですので査定額は下がりませんがこの樹脂の含侵に関しては評価・査定額はかなり下がってしまいます。逆にオイル処理されていない(ノンオイル)場合は高額査定となります。
GIAの鑑別レポートにはこの処理の度合いも掲載され、None(未処理)、F1(軽度)、F2(中程度)、F3(重度)のように表記されます。

エメラルドの内部のキズ

GIAの鑑別レポート


テリ
光に当てると輝いて見えるのをテリが良いと言います。エメラルドに限らず宝石全般にテリは価格決定に大きな影響を与えます。
テリの良し悪しはキズやインクルージョン、カットによって変わってきます。
キズがある程度あってもテリが良いものもありますし、逆にキズが少なくてもテリが悪いものもあります。

カット
『エメラルドカット』という名称があるくらいエメラルドはエメラルドカットが理想的となります。
ただ、深さ(高さ)が大きすぎる場合、フェースアップ(上から見た目場合)での見た目の大きさは変わらずに重量だけが増え、厚みがある分色の濃さも増してしまうため査定額は低くなります。
勿論、エメラルドカットでなくても最終的に美しく見えるものであれば良いのですが、弱い石のですので欠け易いカットだったり、カボションカットは査定額は低くなります。


GIA-G.G 鴫原 武義


主な取扱い宝石