(アコヤ)パールの買取について

6月の誕生石
30周年結婚記念石

日本が世界に誇る宝石です。
貝は自分の中に不純物が入り込むことにより真珠層を分泌して不純物を包み込み自分を守ります。この不純物を包み込んだものが真珠です。
以前はペルシャ湾を中心として世界各地で天然真珠漁が行われてきました。しかし、1930年代の大恐慌による世界最大のディーラーの倒産、乱獲、水質汚染により天然真珠の産出量はほとんどなくなります。
そしてこの頃、西川藤吉や見瀬辰平によって球形真珠の養殖法が開発され、御木本幸吉により商業ベースでの生産が開始されたことにより、養殖真珠が天然真珠にとって変わるようになりました。

養殖真珠はアコヤ貝に切り込みをいれ、核と言われる貝殻を丸くしたものを挿入します。挿核した貝のうち約三分の二が耐えて生き延びます。このうち真珠を産出するのはわずか四分の一で、この中で商品となる良質なものはさらに四分の一となります。ですので商品品質となるのは僅か24分の1だけとなります。


真珠にまつわるお話

東洋では火事のお守りとして、西洋では真珠には魂が宿っていて所有者に幸運を与えると信じられてきました。
また、何世紀にもわたり医薬品として使用され、現在でも質の悪い真珠は東洋医学に使用されています。


真珠のお手入れ方法

化学薬品、アンモニア、酸に対して非常にデリケートな宝石です。外出の際は化粧、香水等の使用後に装着して下さい。
また、汗にも反応しますので使用後はパールクロスや柔らかい布で乾拭きして下さい。
汚れた場合も一般的な宝石用クリーナーはアンモニアを使用していますので使用せずにぬるま湯と中性洗剤で軽く洗うか、パール専用クリーナーをご使用下さい。
光に当たり続けると劣化しますので暗い場所やジュエリーケースに保管して下さい。


買取の際の真珠の査定基準

真珠の買取の価格を決めるものとして『巻き』,『照り』,『キズ』,『大きさ』,『色』,『形』があります。
巻きの厚さ
核から真珠表面までの層の厚さです。この層は真珠層と呼ばれる0.2~0.3ミクロンの層が何千層と積み重なってできており、厚さは挿核後の養殖期間に比例しますが、挿核した貝の個体差によっても変わります。
真珠を呼ぶ際に養殖期間が1年以内の『当年物』、一年以上の『越物』という言葉を使います。
越物のほうが養殖期間が長い分巻きが厚くなるはずですが弱いアコヤ貝はあまり真珠層を分泌せず真珠層は厚くなりません。逆に強いアコヤ貝は当年物でも厚い真珠層を作り出すことがあります。
一般的に巻きが厚い方が後述の『照り』がよくなります。また、巻きが薄い場合、使用している間に真珠層が剥がれる場合もあります。

照り
真珠独特の光沢のことを照り(テリ)と言います。
表面の光沢はもちろんですが巻きが厚くなることによって内部から真珠特有の美しい輝きが湧き出てきます。
照りが最上級に良いものは真珠の中心部に自分の顔が映るほどです。
この照りの良し悪しは巻きの厚さと密接な関係があります。
巻きが薄くても表面の光沢があるものもありますが、この内部から出てくる独特の輝きは殆どなく、光に厚みが無く、美しくありません。

巻きが薄く照りが悪い(上)
巻きが厚く照りが良い(下)


キズ
浜上げされた状態から真珠表面にある凸凹でエクボとも呼ばれます。
キズが多すぎると照りが良いものでも美しさが損なわれますので減額となります。
また、硬度が低いため丁寧に取り扱わないとキズがつき、キズがひどい場合は照りが失われてしまいます。

大きさ
大きければ大きいほど高額になります。
とはいっても大きいだけで巻きが薄く照りが殆ど無いパールネックレスがよく見られますが、このようなお品物は殆どお値段を付けられません。珠の美しさを決める巻きや照りがあることが前提となります。
近年の養殖技術発達により小ぶりなものは大分お安くなってきました。ある程度高額で買取できるものは品質にもよりますが直径が8mm以上のものとなります。


真珠は浜上げ(アコヤ貝から取り出だす作業)されたままの状態では不純物によって汚れやシミ等がついております。 そのため殆どの真珠は浜上げされた後これらを取り除くために漂白されます。
漂白されることによって本来持っていたピンク等の色味も薄くなるため、色味を戻したり他の真珠と色調を揃えるために真珠層に色を染み込ませる調色という作業が行われます。
この調色は殆どの真珠に施されており、真珠の本来もっている美しさを引き出すために行われている為、調色処理の有無は基本的に査定金額に影響しません。
ただ、無調色にも関わらず美しく、ネックレス等の連物では他の珠との色が揃っているものはとても高品質で希少なものですので高額になります。無調色のパールを買取する際はその旨が記載された鑑別書も一緒にお持ち下さい。
色味はグレー、ブルー、シルバー、ピンク、イエロー、アイボリー等色々なものがありますがピンク系が人気があり、逆にイエロー系は人気がありません。
また、調色以外にも着色という処理があります。こちらは化学薬品で根本的に色を変える処理で、よく目にする黒いアコヤ真珠は硝酸銀で着色したものです。着色処理された真珠は低額でしか買取ができません。


真円が基本となり真円からズレた形はお安くなります。


巻き、照り、色の総合評価をA~Cの3段階とした場合、パールネックレスの直径と総合評価における買取金額はおおよそ下記の通りとなります。

直径 総合評価A 総合評価B 総合評価C
7.0~7.5mm ¥10,000 ¥4,000 ¥100
7.5~8.0mm ¥15,000 ¥6,000 ¥100
8.0~8.5mm ¥30,000 ¥10,000 ¥500
8.5~9.0mm ¥50,000 ¥20,000 ¥1,000

上記はノーブランドの場合となります。
ミキモトやタサキ等はブランドとしての価値がありますのでこれよりかなり高額で買取が可能です。


アコヤ以外の真珠について

上記のアコヤ真珠以外にも真珠には様々な種類があります。
ジュエリーに使用されている主なパールは以下の通りとなります。

黒蝶真珠(タヒチパール)
タヒチ(フランス領ポリネシア)、オーストラリアが主な産地となります。
母貝は黒蝶貝(くろちょうがい)で約95%がタヒチで産出されます。
色はブラック、グレー、グリーン等様々なものがありますが『ピーコック』と言われるダークグリーンの地色にピンクがかった干渉色が入っているのが人気があり高額査定となります。
サイズはネックレスですと12mm以上、指輪ですと14mm以上がある程度の金額で買取が可能です。

タヒチパール




白蝶真珠(南洋パール)
オーストラリア、インドネシア、フィリピンが主な産地となります。
母貝は白蝶貝でシルバーリップ種、ゴールドリップ種があり、色味はシルバーリップ種がホワイトやブルー系、ゴールドリップ種はピンクやゴールド系の色味の真珠を産出します。
大きめの珠ができやすいのが特徴でネックレスですと12mm以上、指輪ですと16mm以上がある程度の金額で買取が可能です。

南洋パール




コンクパール
カリブ海全域で産出され母貝はピンク貝となります。
近年実験段階の養殖に成功しましたが未だコントロールができないため流通しているコンクパールは殆ど天然物です。
数千個のピンク貝の中から一つしか取れず、さらに採取制限があるため非常に希少なパールです。
色味はグレーから鮮やかなピンク色までありますが、人気があるのは鮮やかなピンク色のものです。この鮮やかなピンク色に火焔模様がでているコンクパールは非常に希少で高額で買取ができます。
逆にグレーのコンクパールはあまりお値段が付きません。

コンクパール


GIA-G.G 鴫原 武義



主な取扱い宝石